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  • 産業廃棄物と特別管理産業廃棄物の違いをわかりやすく解説

    産業廃棄物と特別管理産業廃棄物の違いをわかりやすく解説

    「産業廃棄物」と「特別管理産業廃棄物」の違いや分類を、わかりやすく丁寧に解説します。

    1. 産業廃棄物とは?

    事業活動を行うと、必ず何らかの「ゴミ」が出ますよね。その中でも「事業にともなって出たゴミ」で、「法律で指定されているもの」が 産業廃棄物(さんぎょうはいきぶつ) です。

    🔸 産業廃棄物のポイント

    • 家庭から出るゴミではありません。
    • 会社や工場などの事業活動から出たゴミのうち、一定の種類のものが対象です。
    • 廃棄物処理法で、20種類以上に分類されています。

    2. 排出限定業種ってなに?

    「紙くず」や「木くず」などの一部の廃棄物には、「この業種が出したときだけ産業廃棄物になる」というルールがあります。

    たとえば:

    • 建設業が出した紙くず → 産業廃棄物
    • スーパーが出した紙くず → 一般廃棄物

    このように「業種が限定されている」ものを、排出限定業種の産業廃棄物と呼びます。

    3. 産業廃棄物の種類と内容(例で解説)

    種類内容・例
    燃え殻焼却炉の灰、石炭がらなど
    汚泥工場排水から出る泥など(有機も無機も含む)
    廃油エンジンオイルなど(ガソリン・灯油などを除く)
    廃酸・廃アルカリ酸性やアルカリ性の廃液(pHの基準あり)
    廃プラスチック類使用済みのプラスチック、ビニールなど
    紙くず・木くず建設現場や印刷業などで出た紙・木材のくず
    金属くず鉄くず、スクラップなど
    ガラス・コンクリートくず建材・陶磁器などの破片
    がれき類建物解体時に出るコンクリートの破片など
    動物のふん尿や死体畜産業から出るもの

    ※ 合成紙・合成ゴム・合成繊維は廃プラスチック類になります。

    4. 特別管理産業廃棄物とは?

    産業廃棄物の中でも、とくに「有害性が高いもの」は、特別管理産業廃棄物(とくべつかんりさんぎょうはいきぶつ)とされます。

    🔸 特徴

    • 人の健康や環境に与える影響が大きい
    • 通常の産業廃棄物よりも、厳しいルールで取り扱いが必要
    • 収集運搬・処分の許可も別枠で必要

    🔸 主な種類と例

    種類内容・例
    廃油ガソリン・灯油などの揮発性の高い油
    廃酸・廃アルカリ腐食性の強い液体(pH2以下、pH12.5以上)
    感染性廃棄物病院から出る血液・注射器など
    廃PCB等高濃度のPCBを含むもの(旧いトランスなど)
    廃石綿等アスベスト(石綿)を含む建材など
    水銀等水銀を含む廃液や器具
    燃え殻・ばいじん焼却施設などから出る基準超過の灰など

    5. 許可の種類と注意点

    産業廃棄物を運ぶ・処分するには、産業廃棄物収集運搬業などの許可が必要です。

    特別管理産業廃棄物は別の許可(特別管理産業廃棄物収集運搬業など)が必要になります。

    これらの許可は都道府県や政令市ごとに取得する必要があり、実務では許可取得サポートのニーズが高い分野です。

    6. 事業系一般廃棄物とは?

    事業活動で出たゴミでも、「産業廃棄物」「特別管理産業廃棄物」に該当しないものは、事業系一般廃棄物に分類されます。

    たとえば:

    • 会社のオフィスから出た弁当の容器、紙くずなど
    • 飲食店の厨房ゴミなど

    これらは市町村が処理責任を持つゴミですが、処理の委託には別の許可が必要で、新規参入が難しい分野です。

    まとめ:3つの廃棄物の違い

    区分内容許可の種類
    産業廃棄物工場・建設業などから出る指定の廃棄物産業廃棄物収集運搬業、処分業
    特別管理産業廃棄物有害・感染性・危険性の高い産業廃棄物特別管理産業廃棄物収集運搬業、処分業
    事業系一般廃棄物上記以外の事業ゴミ一般廃棄物収集運搬業(市町村管轄)

    この内容は、建設業許可申請の現場でもよく問われます。とくに廃棄物の処理を委託している証明書類(マニフェスト)の有無は、許可審査でのチェックポイントになります。

  • 産業廃棄物収集運搬業の許可を徹底解説

    産業廃棄物収集運搬業の許可を徹底解説

    こんにちは。行政書士の吉村です。

    今回は「産業廃棄物収集運搬業の許可申請」について、初めての方にもわかりやすくご紹介します。

    「産業廃棄物を運ぶ仕事をしたいけど、何から始めたらいいのかわからない」「許可が必要とは聞いたけど、詳しいことは知らない」…そんなお悩みをお持ちではありませんか?

    この記事では、必要な許可の種類、取得の条件、申請の流れなどを丁寧に解説していきます。

    産業廃棄物収集運搬業とは?

    建設業や製造業などの事業活動では、さまざまな廃棄物が発生します。その中でも、事業によって生じた特定の廃棄物は「産業廃棄物」とされ、専門の許可業者しか運ぶことができません。

    そのため、「産業廃棄物を運び、処分場に届ける仕事」をするには、自治体からの許可が必要です。

    許可が必要なのはどんなとき?

    産業廃棄物の運搬には、方法に応じて必要な許可が異なります。

    • 処分場へ直接運ぶ → 「収集運搬業(積替え保管を除く)」の許可が必要
    • 一時保管してから運ぶ → 「積替え保管を含む許可」が必要(基準が厳格)

    この記事では、より申請しやすい「積替え保管を除く収集運搬業」について解説します。

    運べるものは何でもOK?

    いいえ。運ぶ廃棄物の種類によって、個別の許可が必要です。

    主な分類は2つ

    • 産業廃棄物:建設工事や製造業などから出る紙くず・木くず・廃プラスチック類など
    • 特別管理産業廃棄物:廃油・廃酸・感染性廃棄物・廃石綿など(人体や環境に有害)

    同じ「収集運搬業」でも内容により申請が変わるため、注意が必要です。

    許可取得のための3つのポイント

    1. 必要な施設を持っていること
      → 車両や容器が必要。飛散・悪臭の防止も求められます。
    2. 知識と経営の安定性
      → 講習会の修了証、経営基盤の資料(決算書など)を提出
    3. 欠格要件に該当しないこと
      → 違反歴の有無、役員の適格性などが審査されます

    許可取得後も必要な手続き

    • 許可の更新(5年ごと)
    • 住所・役員変更の届出
    • 事業廃止や欠格要件に該当した場合の届出

    これらを怠ると、最悪「許可取消し」となるため注意が必要です。

    自分でできる?行政書士に依頼するメリット

    「やってみようかな」と思った方も、次のような壁に直面することがあります:

    • 法律用語が難しい
    • 提出書類が多くて大変
    • 自治体ごとに申請が必要
    • 更新や変更手続きを忘れがち

    そんなときは、行政書士にお任せください。

    • 必要書類の作成・提出を代行
    • 手続きの漏れを防止
    • 許可の種類や流れを丁寧に案内

    まとめ

    産業廃棄物収集運搬業の許可は、事業を始めるための第一歩です。確実に取得するためには、準備と専門知識が必要です。

    スムーズに許可を取りたい方は、ぜひ当事務所にご相談ください。初回相談は無料です。

    あなたの新しいスタートを、全力でサポートします。

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  • 建設業許可が不要な「軽微な工事」とは?

    建設業許可が不要な「軽微な工事」とは?

    はじめに:許可がいらない工事ってあるの?

    建設業を始めようとすると、「建設業許可」が必要なイメージがあると思います。でも、すべての工事に許可が必要なわけではありません。

    たとえば、小さな修繕工事など、規模が小さい工事なら許可がなくてもOKなんです。こうした「小さな工事」のことを法律では「軽微(けいび)な工事」と呼びます。

    軽微な工事のルール

    軽微な工事かどうかは、工事の金額や規模で判断されます。ポイントは次の3つです:

    ① 建築一式工事で、請負金額1,500万円未満(税込)

    建築一式工事とは、建物をまるごと建てるような、建築全体を管理する大きな工事のこと。これが1,500万円(税込)未満であれば、許可は不要です。

    この金額には消費税も含まれ、材料を発注者(お客さん)が提供した場合は、その材料費や運送費も含めます。

    ② 木造住宅で延べ面積150㎡未満、かつ居住用が半分以上

    木造の住宅で、延べ床面積が150㎡未満のものも許可不要です。ただし、建物の半分以上が「住まい用」であることが条件です。

    半分以上がお店などの用途だと、この特例は使えません。

    ③ 専門工事で請負金額500万円未満(税込)

    専門工事とは、「内装工事」「電気工事」「塗装工事」など個別の工事のこと。これが1件500万円未満(税込)であれば、許可はいりません。

    「1件」ってどう数えるの?

    「契約がいくつか」ではなく、「実際の工事が1つかどうか」で判断します。

    たとえば、工事を2回に分けて契約しても、それが「1つの建物をつくるための工事」なら、1件と数えられます。

    また、契約を分ければ軽微に見えるから…と分割した場合でも、合計金額で判断されます。ただし、正当な理由があって分けたならOKです。

    軽微な工事だけなら、許可はいらない!

    まとめると、軽微な工事だけを請け負うのであれば建設業許可は不要です。

    でも、「もっと大きな工事がしたい」「信用を高めたい」と思うなら、早めの許可取得も検討するとよいでしょう。

    建設業許可には「実績」や「人材」などの条件があるため、軽微な工事で経験を積んでステップアップを目指すのも立派な戦略です。

    最後におさらい:許可不要な工事の条件

    分類許可がいらない条件(軽微な工事)
    ① 建築一式工事請負金額が1,500万円未満(税込)
    ② 木造住宅の建築一式工事延べ面積150㎡未満、かつ居住用が半分以上
    ③ 専門工事(建築一式以外)請負金額が500万円未満(税込)

  • 建設業許可における「営業所」とは?

    建設業許可における「営業所」とは?

    建設業の許可を取得する際には、「会社の所在地」だけでなく、「営業所が実在し、営業活動が可能か」も重要なチェックポイントとなります。単なる住所の登録や、実態のない部屋では許可されません。

    営業所とはどのような場所か?

    建設業許可における「営業所」とは、以下のような実態のある場所を指します。

    • お客様と面談し、契約が可能な場所
    • 電話や机などが整備され、事務所機能がある場所
    • 社長や現場責任者などが常勤している場所

    つまり、書類上だけで存在する場所ではなく、実際に人がいて、日常的に仕事が行われている必要があります。

    営業所の場所と申請先の関係

    営業所の所在地によって、申請先の役所が異なります。

    営業所の所在許可を出す役所
    1つの都道府県内のみその都道府県知事
    複数の都道府県に所在国土交通大臣

    ※どちらの許可でも全国での工事は可能ですが、「営業活動」は営業所がある都道府県に限られます。

    営業所と認められる7つの条件

    1. 契約など実際の営業をしていること
      お客様との打合せや契約が行われていること。
    2. 電話・机・帳簿などがあること
      単なる空き部屋ではなく、事務所としての体裁が整っていること。
    3. 他の空間と明確に区切られていること
      自宅の一部を使う場合でも、壁などで事務所と居住空間を分離する必要があります。
    4. 使用の権利があること
      自己所有または賃貸契約などで正式に使用していること。住居専用物件は原則不可。
    5. 看板などで外部から確認できること
      「〇〇建設株式会社」などの表札や看板を掲示していること。
    6. 営業責任者が常勤していること
      代表者または契約権限を持つ者が常にいること。
    7. 専任技術者が常勤していること
      工事の専門知識を持つ技術者が日常的に常駐していること。

    よくある間違い

    • 登記上の「本店」だけでは不十分:登記がされていても、実際に営業していなければ営業所とは認められません。
    • 現場事務所やプレハブ小屋はNG:工事現場の作業用スペースは営業所とはなりません。
    • 自宅兼事務所の場合:プライベート空間と事務所空間が明確に区切られている必要があります(カーテンなどは不可)。

    写真と郵便物に関する注意

    申請時には、営業所の内外観や設備を撮影した写真の提出が求められます。看板・机・帳簿などの存在が確認される必要があります。

    また、許可後には「許可通知書」が営業所あてに、転送不可で郵送されます。届かない場合、「営業所が存在していない」と判断され、調査が入る可能性もあります。

    まとめ

    建設業許可においては、営業所の「実態」が極めて重要です。契約・技術者・設備が整い、日常的に営業が行われていることが必要です。

    写真や郵便物によっても、営業所の存在が裏付けられることを意識しましょう。

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  • 建設業29業種をやさしく解説

    建設業29業種をやさしく解説

    建設業許可を取得するには、どの業種でどんな工事を行うのかを理解することが大切です。ここでは、29の建設業種について、わかりやすく解説します。

    一式工事

    1. 土木工事業(土木一式工事)

    道路・トンネル・橋・ダムなど、土地やインフラに関する大規模な工事をまとめて行います。計画・管理を行い、下請け業者に専門工事を依頼します。

    2. 建築工事業(建築一式工事)

    ビルや住宅などの建物を全体として建てる工事です。大工や電気工、塗装など多くの職人をまとめて建物を完成させます。

    専門工事

    3. 大工工事業

    木材を使って柱・梁・床などを組み立てる「骨組み」の工事です。

    4. 左官工事業

    モルタルや漆喰で壁や床を仕上げる「壁ぬり職人」の工事です。

    5. とび・土工工事業

    足場を組んだり、土地を掘ったり整地する、工事の準備を担う専門職です。

    6. 石工事業

    石を使って石垣やモニュメント、外構などを作る工事です。

    7. 屋根工事業

    屋根瓦やスレートを取り付ける、雨漏り防止のための重要な工事です。

    8. 電気工事業

    配線、照明、コンセント、電気設備などを取り付ける工事です。

    9. 管工事業

    給排水や空調の「管」を取り付ける工事です。水道・ガス・エアコンなどが含まれます。

    10. タイル・れんが・ブロック工事業

    壁や床にタイルやブロックを使って仕上げる工事です。

    11. 鋼構造物工事業

    鉄骨を組み立てて建物や橋を作る工事で、主に工場や倉庫に見られます。

    12. 鉄筋工事業

    コンクリートの中に鉄筋を入れて建物を強くする工事です。

    13. 舗装工事業

    道路や駐車場をアスファルトやコンクリートで舗装します。

    14. しゅんせつ工事業

    川や海の泥を取り除き、水の流れを良くしたり船の通航を助けます。

    15. 板金工事業

    金属板を屋根や外壁に取り付けて、建物を雨風から守る工事です。

    16. ガラス工事業

    窓ガラスやドアのガラスなどを設置する工事です。

    17. 塗装工事業

    建物や機械に塗料を塗り、見た目や防錆の効果を与えます。

    18. 防水工事業

    防水シートや塗料で、雨水が建物に入らないようにする工事です。

    19. 内装仕上工事業

    壁紙や床材を貼り、天井などの内装を仕上げる工事です。

    20. 機械器具設置工事業

    工場などで大型の機械や設備を据え付ける工事です。

    21. 熱絶縁工事業

    断熱材で熱の出入りを防ぎ、省エネや快適さに貢献する工事です。

    22. 電気通信工事業

    インターネットや電話、テレビの通信設備を設置する工事です。

    23. 造園工事業

    庭や公園を整備し、植木や池などで景観を整える工事です。

    24. さく井工事業

    地下水をくみ上げるための井戸やポンプを設置する工事です。

    25. 建具工事業

    ドア・ふすま・窓枠など、開閉する部分の取り付け工事です。

    26. 水道施設工事業

    配水管やポンプ場など、水の供給施設を作る工事です。

    27. 消防施設工事業

    スプリンクラーや火災報知器など、命を守る設備の設置工事です。

    28. 清掃施設工事業

    ごみ処理場やし尿処理施設など、公共の清掃施設を建てる工事です。

    29. 解体工事業

    建物や構造物を安全に壊す工事です。新しく業種として独立しました。

    以上が、建設業許可で必要となる29業種の概要です。これらを理解することで、申請や実務がスムーズに進みます。

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  • 【やさしく解説】建設業の種類と許可の考え方

    【やさしく解説】建設業の種類と許可の考え方

    建設業許可は“工事の種類”ごとに必要

    建設業の許可を取るには、「どんな工事をするのか」によって必要な許可が異なります。つまり、工事の種類ごとに個別の許可が必要なのです。

    建設業には29種類の「工事」と「業種」

    建設業法では、建設工事を29種類に分類しています。そして、それぞれに対応する「建設業の業種(種類)」があります。

    代表的な工事と対応する業種の例

    建設工事の内容対応する建設業の種類
    木を使って家を建てる工事(柱・梁など)大工工事業
    屋根を取り付ける工事屋根工事業
    水道の管をつなぐ工事管工事業
    電気の配線をする工事電気工事業
    建物を取り壊す工事解体工事業

    このように、各工事内容に対応した業種の許可を取得する必要があります。

    「一式工事」とは?全部の許可ではない!

    29種類のうち、次の2つは「一式」と名前がついています:

    • 土木一式工事 → 土木工事業
    • 建築一式工事 → 建築工事業

    「一式」と聞くと「全部できる特別な許可?」と思われがちですが、それは誤解です。

    一式工事の意味と注意点

    一式工事とは、元請として工事全体を取りまとめる業務を意味します。実際の専門工事は下請けに発注するのが基本です。

    注意:一式工事の許可だけでは、自分で電気工事や塗装工事などの専門工事を行うことはできません。専門工事の許可も別途必要です。

    複数の許可を取りたいときの方法

    複数の工事を請け負いたい場合、それぞれの工事に対応する許可が必要です。

    たとえば:

    • 大工工事をしたい → 大工工事業の許可
    • 屋根もやりたい → 屋根工事業の許可

    許可の取得方法とその特徴

    取得方法メリット・デメリット
    まとめて一度に申請手数料は9万円で済むが、それぞれの工事に対応する技術者が必要。
    時期を分けて個別に申請初回は9万円、追加は1業種につき5万円。技術者準備は楽だが費用増。

    まとめ:建設業許可のポイント

    • 建設業は、29種類の工事ごとに許可が必要。
    • 「一式工事」は元請として管理するための許可で、全部できるわけではない。
    • 複数の許可を取る場合は、技術者の確保と手数料のバランスを考慮。

    「29種類の業種=それぞれ別の資格」とたとえると、理解がスムーズです。

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  • 経営業務の管理責任者とは?建設業許可の必須要件

    経営業務の管理責任者とは?建設業許可の必須要件

    建設業の許可を受けるためには、必ず「経営業務の管理責任者」が会社や事業所に1人は必要です。

    経営業務の管理責任者とは

    一言でいえば、「建設業の経営をよく分かっていて、長年その責任を担ってきた人」のことです。

    なぜ必要なのか?

    建設業は数千万円〜数億円の大きな取引があり、工期も長くなることが多いため、経営経験の浅い人では倒産リスクが高くなります

    そのため国は、「ちゃんと建設業を経営できる人がいないと許可は出しません」という方針をとっています。

    経営業務の管理責任者になれる人の条件

    ① 適切な地位にある人

    経営者やそれに準じる立場の人である必要があります。

    区分なれる人
    個人事業主事業主本人、または「支配人」(法務局に登記)
    法人常勤の役員(取締役など)やそれに準ずる人

    ※「支配人」とは、経営の代理を任され法務局に登記された人です。

    ② 経験がある人

    建設業の経営に関する経験年数が必要です。

    経験の種類必要年数
    同じ業種の建設業経営5年以上管工事業で許可→管工事経営経験5年
    他の建設業の経営経験6年以上電気工事6年→管工事で申請
    経営業務の補佐経験等5〜6年以上執行役員・部長など(要検討)

    ※外国での経営経験が特別に認められる場合もあります。

    ③ 常勤であること

    日常的に会社にいて継続的に働いている必要があります。

    「名義貸し」や「週1回だけ出勤」といった人は該当しません。

    どうやって証明するの?

    建設業許可の申請時には、以下のような書類で適格性を証明します。

    • 履歴書
    • 登記簿謄本(役員であること)
    • 工事契約書や決算書類など

    まとめ:経営業務の管理責任者の要点

    • 建設業の経営経験が豊富な人が「経営業務の管理責任者」
    • 「地位・経験・常勤性」の3つが必要
    • 個人なら事業主本人、法人なら常勤役員が対象
    • 経験年数は、同業種で5年、他業種で6年
    • 書類で証明しなければ許可は下りない

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  • 【わかりやすい解説】専任技術者とは何か?

    【わかりやすい解説】専任技術者とは何か?

    専任技術者とは?

    建設業の許可を取るためには、各営業所に「工事の内容を理解している技術者」を配置することが建設業法で定められています。この技術者のことを専任技術者といいます。

    たとえば土木工事を行う会社であれば、「土木工事に詳しく、それを管理できる人」が1人必要です。専任技術者がいることで、技術力と安全性の証明が可能になります。

    なぜ専任技術者が必要なのか?

    建設業の許可を取得すれば、公共工事や大規模な民間工事を受注できるようになります。これらの工事には専門的な技術力が必要なため、国は営業所ごとに技術者の配置を義務付けています。

    専任技術者になれる3つのパターン

    ① 学歴+実務経験

    以下のような学歴と実務経験の組み合わせが必要です:

    • 高校(建築・土木系)卒業後、5年以上の実務経験
    • 大学(建築・土木系)卒業後、3年以上の実務経験

    ※ 実務経験とは、実際にその工事に関わった仕事のことを指します。

    ② 専門資格を持っている

    以下のような国家資格が該当します:

    • 1級・2級建築士
    • 技術士
    • 1級・2級施工管理技士 など

    資格によっては、合格後の実務経験が求められることもあります。

    ③ 実務経験のみ(10年以上)

    学歴や資格がなくても、10年以上の実務経験があれば専任技術者になれます。いわゆる「10年ルール」で、ベテランの職人にとっては大きなチャンスです。

    実務経験の証明には注意!

    学歴や資格は証明書類で確認できますが、実務経験は証拠書類が必要です。例:

    • 工事契約書
    • 請求書
    • 工事写真 など

    これらをそろえて「この種類の工事を10年間していました」と証明する必要があります。書類が不足すると、専任技術者になれないこともあるため注意が必要です。

    まとめ

    ポイント内容
    専任技術者とは営業所ごとに配置が必要な専門技術者
    必要な理由技術力を証明し、許可取得に必要
    なれる条件① 学歴+実務経験 ② 資格 ③ 実務経験のみ(10年)
    注意点実務経験は証明書類が必要

    民法の条文と同じように、「形式的な確認」が非常に重要です。建設業許可の要件として、試験・実務の両方でしっかり押さえておきましょう。

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  • 建設業許可の「財産的基礎」とは?条件と証明方法を解説

    建設業許可の「財産的基礎」とは?条件と証明方法を解説

    こんにちは、行政書士の吉村です。今回は「建設業許可を取るには、どんなお金の条件が必要なのか?」というよくあるご質問について、詳しく解説します。

    建設業許可における「財産的基礎」とは

    建設業許可を取得するためには複数の要件がありますが、その中でも最初に立ちはだかるのが「財産的基礎」です。これは、どんなに技術があっても、資金力がなければ許可は下りないという厳しい条件です。

    財産的基礎の意味と重要性

    簡単に言えば「工事をきちんと完了させるための資金的な体力があるかどうか」です。建設工事には前もってお金がかかるため、資金力が不十分では事業継続にリスクが生じます。そのため、財産的基礎は非常に重要視されます。

    一般建設業に必要な3つの基準

    一般建設業の許可を取得するには、次の3つのうちいずれかを満たしていればOKです。

    ① 自己資本が500万円以上あること

    法人であれば、貸借対照表の「純資産の部」が500万円以上必要です。個人事業主の場合は、返済不要な資産が500万円以上あるかを別途計算する必要があります。

    ② 500万円以上の資金調達能力があること

    銀行預金や融資の証明で、すぐに500万円調達できる能力を示す必要があります。証明には預金残高証明書などが用いられます。

    ③ 過去5年間に許可を受けて継続して営業した実績があること

    既に許可を持ち、5年以上継続して営業している実績があればクリアとなります。ただし、新規申請の場合は対象外です。

    特定建設業の「財産的基礎」はより厳しい

    特定建設業では、より大きな資金力が求められます。法人の場合、以下の基準すべてを満たす必要があります。

    • 資本金が2,000万円以上
    • 自己資本が4,000万円以上
    • 流動比率が75%以上
    • 欠損比率が20%以下

    一見厳しそうに見えますが、正確な財務資料の確認や専門家のサポートでクリアできる場合もあります。

    証明方法と必要書類

    財産的基礎を証明するには、形式の整った書類提出が求められます。主な書類は以下のとおりです。

    • 貸借対照表(法人)または収支内訳書(個人)
    • 預金残高証明書(発行から1ヶ月以内)
    • 融資証明書(必要に応じて)

    これらの書類は、形式不備で差し戻しとなるケースが多いため、慎重な準備が必要です。

    まとめ:財産的基礎の証明は専門家に相談を

    財産的基礎は、建設業許可申請の第一関門とも言える重要なポイントです。

    要件は明確ですが、実際には:

    • どの証明方法を選ぶか
    • 数値計算の正確性
    • 書類の整備

    などでお悩みの方が多くいらっしゃいます。

    「ウチは大丈夫そうだけど万全を期したい」「数字や書類が苦手だけど許可は取りたい」そんな方は、ぜひご相談ください。初回相談は無料です。確かな準備で、あなたの建設業スタートをサポートします!

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  • 建設業許可の「誠実性」とは?信頼性の証明方法

    建設業許可の「誠実性」とは?信頼性の証明方法

    建設業を営むうえで欠かせない「建設業許可」。この許可を取得するためには、さまざまな基準をクリアする必要がありますが、その中でも見過ごせないのが「誠実性」です。

    今回は、「誠実性」とは何を意味するのか、なぜそれが必要なのか、具体的にどのような行為が問題となるのかを、わかりやすく解説します。

    なぜ「誠実性」が求められるのか?

    建設業は、受注から工事の完成までに長い期間を要する業種です。また、前払いで工事費用を受け取るケースもあり、発注者との信頼関係が不可欠です。

    仮に、建設業者が契約を誠実に履行しなければ、手抜き工事や施工不良などのトラブルが発生し、社会的にも大きな影響を与えかねません。

    そのため建設業法では、許可の審査基準の一つとして「誠実性」を定めています。つまり、信頼できるかどうかが法的にも重視されているのです。

    「誠実性」は誰に求められる?

    では、誰が「誠実」であるべきなのでしょうか?建設業法では、次のように定められています。

    • 法人の場合:会社自体、役員、政令で定める使用人(支店長・営業所長など)
    • 個人事業主の場合:本人および契約権限を持つ使用人

    つまり、契約や業務に責任を持つ立場の人が、不正や不誠実な行為をしていないことが求められます。

    不正・不誠実とされる行為とは?

    以下は、「誠実性を欠く」と判断されるおもな行為の例です。

    不正な行為(法律違反)

    • 詐欺・脅迫・横領・文書偽造など刑事罰の対象行為
    • 契約時の虚偽申告や不正請求

    不誠実な行為(契約違反)

    • 工事内容の未履行や追加請求
    • 工期違反、不可抗力による損害を発注者に一方的に負担させる行為

    その他の違反行為

    • 建築士法や宅建業法等に違反し、免許取消処分を受けて5年未満の場合

    誠実な業者なら心配不要

    ここまで読んで「難しそう…」と感じた方もいるかもしれませんが、通常通りに営業している業者であれば特に問題にはなりません。

    むしろ、誠実に取り組んでいることを証明できれば、顧客からの信頼を得るチャンスでもあります。

    まとめ:誠実性は信頼の証

    建設業の許可取得において、「誠実性」は形式的な条件ではなく、社会的責任のある業種として重視される重要な基準です。

    ポイントまとめ

    • 誠実性は契約に関与する責任者全員に求められる
    • 不正行為や契約違反があると誠実性を欠くと判断される
    • 通常の業務を誠実に行っていれば、特に問題はない

    行政書士ができるサポート

    誠実性に関する確認は、建設業許可申請の中でも重要なポイントです。

    ご自身での判断に不安がある方や、過去にトラブルがあった方も、一度専門家にご相談ください。

    当事務所では、誠実性に関する事前チェック、必要書類の整備、申請のサポートまで一貫してお手伝いしています。

    「ちゃんと通るか心配…」という方こそ、ぜひお気軽にご相談ください。

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