カテゴリー: 建設業

  • フリーランス保護法と何が違う?中小受託取引適正化法(取適法)との違いをわかりやすく整理

    フリーランス保護法と何が違う?中小受託取引適正化法(取適法)との違いをわかりやすく整理

    近年、日本の企業間取引をめぐる法規制は大きな転換期を迎えています。

    2024年11月に施行された「フリーランス保護法」に続き、2026年(令和8年)1月1日からは、従来の下請法を抜本的に見直した「中小受託取引適正化法(通称:取適法)」が施行されます。

    いずれも「取引の公正化」を目的とする法律ですが、守ろうとしている相手・規制の考え方・企業に求められる対応には明確な違いがあります。

    本記事では、フリーランス保護法と取適法の違いを整理し、発注側企業・中小事業者が実務上注意すべきポイントを行政書士の視点で解説します。


    1.最大の違いは「誰を守る法律か」──対象範囲の整理

    まず押さえておきたいのが、保護の対象となる事業者の違いです。

    フリーランス保護法の対象

    フリーランス保護法は、主に以下のような立場の事業者を対象としています。

    • 従業員を雇用していない個人事業主
    • 実質的に一人で事業を行う一人法人

    いわば、組織に属さず、交渉力が弱くなりがちな「個人の働き手」を守るための法律です。

    中小受託取引適正化法(取適法)の対象

    一方、取適法の対象はより広く、中小事業者全般に及びます。

    今回の法改正では、従来の「資本金基準」に加え、新たに「従業員数」による基準が導入されました。

    例えば、製造委託などの取引では、従業員300人以下の事業者が受託側として保護対象になるケースがあります。

    つまり、

    • フリーランス保護法:弱い立場にある「個人」の保護
    • 取適法:個人から中小企業まで含めた「事業者間取引全体の公正化」

    を目的としている点が、大きな違いです。


    2.「何のための法律か」が違う──理念と目的の違い

    両法律は似て見えても、その根底にある考え方は異なります。

    フリーランス保護法の理念

    フリーランス保護法は、

    • フリーランスが安心して働ける環境を整える
    • 不利益な取扱いや不透明な契約から守る

    ことを主眼とした法律です。 「働く個人の権利保護」という色合いが強いのが特徴です。

    取適法が目指すもの

    これに対して取適法は、単なる下請法の延長ではありません。

    法律の理念として掲げられているのは、

    • 元請・下請という上下関係の是正
    • 対等なパートナーシップの構築

    企業同士が一方的に支配・従属する関係ではなく、公正で持続可能な取引関係を築くことを目的としています。


    3.2026年施行の取適法で追加される厳しい新ルール

    取適法では、フリーランス保護法には見られない、あるいはより踏み込んだ規制が導入されます。

    一方的な価格決定の禁止

    受託者が原材料費や人件費の上昇などを理由に価格協議を求めたにもかかわらず

    • 協議自体を拒否する
    • 十分な説明なく価格を据え置く

    といった対応は、原則として禁止されます。

    60日以内の全額現金払いの義務化

    納品後60日以内に、全額を現金で受け取れる支払いが義務化されます。

    これにより、

    • 手形払い
    • 割引料が発生するファクタリング
    • 満額を受け取れない電子記録債権

    などは、実質的に禁止されることになります。

    特定運送委託取引も新たに対象に

    荷主が運送事業者に直接委託する特定運送委託も、取適法の規制対象に追加されました。

    物流・運送業界にとっても、極めて重要な法改正です。


    4.企業が今から進めるべき実務対応

    これら複数の法規制に対応するため、発注側企業には早期の実務対応が求められます。

    ① 取引先の再点検

    取引先が

    • フリーランス保護法の対象なのか
    • 取適法の「中小受託事業者」に該当するのか

    を正確に把握する必要があります。

    ② 契約書・支払条件の見直し

    契約書については、

    • 法律名・用語の更新
    • 手形払い条項の削除
    • 支払期日の明確化

    など、最新の法令に適合させることが不可欠です。

    ③ 交渉プロセスの「見える化」

    口頭発注や曖昧な合意を避け、

    • 書面・メールによる発注
    • 価格交渉の経緯を記録・保存

    する体制づくりが重要になります。


    まとめ|取引ルールの変化は「リスク」ではなく「信頼構築のチャンス」

    企業にとっては負担増と感じる面もありますが、見方を変えれば、取引先との信頼関係を深め、長期的なパートナーシップを築く好機でもあります。

    取適法対応や契約書の見直しに不安がある場合は、行政書士など専門家に早めに相談することをおすすめします。

    行政書士吉村事務所のホームペー

  • 資本金だけで判断するのは危険新設「従業員数基準」で自社が取適法の対象か確認を

    資本金だけで判断するのは危険新設「従業員数基準」で自社が取適法の対象か確認を

    2026年(令和8年)1月1日、日本の商取引における重要なルールである「下請法」は、「中小受託取引適正化法(通称:取適法)」へと名称・内容ともに大きく改正されます。

    今回の改正で、特に多くの企業が注意すべきポイントが、法の適用範囲を判断する基準として「従業員数」が新設されたことです。

    これまで「うちは資本金基準に該当しないから大丈夫」「下請法は大企業だけの話」と考えていた事業者様でも、新法では思いがけず“委託事業者”としての義務を負う可能性があります。

    本記事では、行政書士の立場から、取適法における従業員数基準の考え方と実務への影響を、できるだけわかりやすく解説します。


    なぜ「資本金」だけで判断するのは不十分なのか

    従来の下請法では、親事業者・下請事業者の区分は、原則として「資本金の額」によって判断されていました。

    しかし近年では、

    • 資本金は小さいが、従業員数が多い企業
    • 外注・業務委託を多用し、取引上の影響力が大きい企業

    といったケースが増え、資本金だけでは取引実態を正しく反映できないという問題が指摘されてきました。

    そこで新たに制定される取適法では、「元請・下請という力関係の是正」「対等なパートナーシップの構築」を理念に掲げ、資本金に加えて「常時使用する従業員数」が判断基準として導入されています。

    つまり、見た目の規模ではなく、実態に即した取引関係を重視する法律へと変わったのです。


    新設された「従業員数基準」の具体的な内容

    取適法では、委託する業務内容に応じて、適用基準が次の2つの区分に分かれています。

    ① 物品の製造・修理・特定運送・特定の情報成果物・役務

    (特定の情報成果物・役務:プログラム作成、運送、倉庫保管、情報処理など)

    • 委託事業者(発注側):従業員数 300人超
    • 中小受託事業者(受注側):従業員数 300人以下

    ※または、従来どおり資本金基準(3億円超・3億円以下など)に該当する場合

    ② 上記以外の情報成果物作成・役務提供

    • 委託事業者(発注側):従業員数 100人超
    • 中小受託事業者(受注側):従業員数 100人以下

    ※または、従来の資本金基準(1億円超・1億円以下など)に該当する場合

    ここで非常に重要なのが、「資本金」か「従業員数」のどちらか一方でも基準を満たせば、法律の対象になるという点です。

    たとえば、資本金が小さくても従業員が301人以上いる企業が、従業員100人の企業に製造を委託する場合、取適法が適用される可能性があります。


    「特定運送委託」の追加で一般企業にも影響が

    従業員数基準の新設とあわせて見逃せないのが、「特定運送委託」が新たに規制対象となった点です。

    これは、荷主が運送事業者に直接運送を委託する取引を指し、物流業界で問題となってきた

    • 長時間待機
    • 無償での附帯作業

    などを是正する目的があります。

    この改正により、運送業者ではない一般企業であっても、従業員数基準に照らして「委託事業者」としての義務を負うケースが増えることになります。


    施行までに企業が行うべき「3つの再点検」

    2026年1月の施行に向け、企業には早急な実務対応が求められます。

    ① 取引先の総点検

    自社の資本金だけでなく、常時使用する従業員数を正確に把握し、あわせて取引先(受託者)の規模も確認する必要があります。

    ② 契約書・社内規程の見直し

    法律名が「中小受託取引適正化法」に変更されるため、契約書の表記修正が必要です。

    あわせて、

    • 手形払いの廃止
    • 価格協議に関する条項の明確化

    など、最新の法令に適合した内容へ見直すことが重要です。

    ③ 社内体制・運用ルールの整備

    従業員数基準により新たに「委託事業者」となる場合、

    • 注文書の交付義務
    • 価格交渉・協議記録の保存

    といった義務が発生します。

    口頭発注の見直しや社内マニュアルの整備など、実務レベルでの対応が不可欠です。


    まとめ|「知らなかった」では済まされない改正です

    「中小受託取引適正化法」への移行は、単なる名称変更ではありません。

    取引の適用範囲を実態に即して大きく広げる重要な法改正であり、従来の下請法では想定していなかった企業も対象となります。

    これまで禁止されていた

    • 代金の減額
    • 買いたたき

    などは引き続き厳禁であることに加え、誠実な価格交渉プロセス60日以内の現金払いが、これまで以上に強く求められます。

    「自社は対象になるのか分からない」「契約書をどう直せばよいか不安」

    そのような場合は、取適法対応を含めた取引法務に精通した行政書士へ早めに相談することが、将来のリスク回避につながります。

    当事務所では、取適法に関する適用判断・契約書チェック・社内体制整備のご相談を承っております。

    どうぞお気軽にお問い合わせください。

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  • 取適法で手形払いは禁止?60日以内「全額現金払い」が企業実務に与える影響

    取適法で手形払いは禁止?60日以内「全額現金払い」が企業実務に与える影響

    2026年(令和8年)1月1日、日本の企業間取引における支払い慣行が大きな転換点を迎えます。
    同日施行される「中小受託取引適正化法(通称:取適法)」により、これまで広く使われてきた手形払いが、実務上ほぼ不可能となるためです。

    特に注目すべきなのが、「納品・役務提供完了から60日以内に、全額を現金で支払う義務」です。

    本記事では、取適法の中でも影響が大きいこの支払いルールに焦点を当て、企業が直面する実務上の変化と、今から準備すべき対応策を行政書士の視点でわかりやすく解説します。


    1.「60日以内・全額現金化」が意味するものとは

    取適法では、委託事業者(発注側)に対し、次のような支払いを義務付けています。

    「納品または役務提供の完了日から60日以内に、手数料などを差し引かれることなく、全額を現金で受け取れる支払い」

    これは単に「支払期限を守りましょう」という話ではありません。 支払い方法そのものが厳しく制限される点が、今回の法改正の最大の特徴です。

    事実上、禁止される支払い方法

    • 手形払い
      支払期日が長い手形は、60日以内に現金化できないため原則不可となります。
    • 電子記録債権(でんさい)
      手形と同様、期日まで満額を受け取れない仕組みは認められません。
    • 割引料を伴うファクタリング
      受託者側が割引料(手数料)を負担して早期現金化する方式は、「全額現金化」に反するため禁止対象となります。

    これまで「支払いは手形が当たり前」と考えてきた企業にとっては、資金繰り(キャッシュフロー)の抜本的な見直しが避けられません。


    2.なぜ今、ここまで厳しいルールが導入されるのか

    今回の取適法は、単なる下請保護を目的とした法律ではありません。 背景にあるのは、「対等なパートナーとしての企業間取引を実現する」という考え方です。

    従来の下請法では、立場の強い発注側が支払いを遅らせたり、事実上の金利負担を下請事業者に押し付けたりするケースが後を絶ちませんでした。

    そこで新法では、納品から2か月以内に、確実に・満額の現金を受け取れる環境を制度として整備し、中小事業者が安心して事業を継続できる基盤づくりを目指しています。

    つまり、取適法は「企業間取引の公正化」を本気で実現するための法律なのです。


    3.支払いルール以外にも広がる実務への影響

    取適法の影響は、支払い方法の変更だけにとどまりません。 企業実務全体を見直す必要があります。

    ① 価格交渉における説明責任の明確化

    原材料費や人件費の高騰などを理由に、受託者が価格協議を求めた場合、 発注側は理由を説明せずに価格据え置きを強要したり、協議自体を拒否することが禁止されます。

    ② 適用対象の拡大

    • 従来の資本金基準に加え、従業員数基準が新たに導入
    • 荷主が運送事業者に直接依頼する「特定運送委託」も新たに規制対象

    「うちは下請法の対象外だったから大丈夫」という認識は、通用しなくなる可能性があります。

    ③ 監視・執行体制の強化

    公正取引委員会に加え、各業界の主務大臣にも指導・助言権限が付与され、 違反に対するチェック体制はこれまで以上に厳しくなります。


    4.施行までに企業が取り組むべき3つの実務ステップ

    2026年1月の施行に向け、委託事業者(発注側)は早めの対応が不可欠です。

    ① 資金管理体制の再構築

    手形払いから現金払いへ移行した場合のキャッシュフローをシミュレーションし、 必要に応じて資金調達方法の見直しを行いましょう。

    ② 契約書・社内規程の改定

    法律名の変更に合わせ、以下の点を確認・修正する必要があります。

    • 手形払い条項の削除
    • 支払期限・支払方法の明確化
    • 価格協議に関する条項の追加

    契約書の未整備は、トラブルや行政指導の原因になりかねません。

    ③ 社内意識と運用の見直し

    口頭発注を改め、書面や電子データで交渉記録を残す体制を整えましょう。 また、振込手数料を受託者に負担させている場合は、将来的な規制も見据えた見直しが必要です。


    資金が巡る健全な取引関係へ

    取適法による「現金化の迅速化」は、ビジネスにおける血液(資金)の流れを正常化するための制度改革といえます。

    手形という「後回しの約束」ではなく、現金という「確かな対価」を速やかに循環させることは、 サプライチェーン全体の体力を高め、結果的に発注側企業の信用力向上にもつながります。

    2026年1月は、古い商慣習から脱却し、公正な取引を実現する新しいスタートラインです。 「まだ先の話」ではなく、「今から準備する」ことが、企業を守る最大のポイントとなります。

    取適法対応や契約書整備でお悩みの際は、行政書士へ早めにご相談ください。

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  • 「下請法」が消える日|2026年施行・新「取適法」をわかりやすく解説

    「下請法」が消える日|2026年施行・新「取適法」をわかりやすく解説

    2026年(令和8年)1月1日、日本の企業間取引を支えてきた法律が大きく生まれ変わります。
    長年親しまれてきた「下請代金支払遅延等防止法(下請法)」は廃止され、代わって新たに

    「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」
    (略称:中小受託取引適正化法/通称:取適法)

    が施行されます。

    この改正は、単なる法律名の変更ではありません。
    「元請・下請」という固定的な上下関係を前提とした考え方そのものを見直し、企業同士が対等な立場で取引するという、実務に直結する大きな転換点です。

    本記事では、行政書士の視点から、新「取適法」がどのような法律なのか、
    どの企業に影響があり、何を準備すべきかを、できるだけわかりやすく解説します。


    1.なぜ「取適法」が生まれたのか|企業間取引の考え方が変わる

    従来の下請法は、「親事業者による不公正な行為を防止する」ことを主な目的としていました。
    しかし実務の現場では、

    • 価格交渉に応じてもらえない
    • 支払方法が複雑で資金繰りが不安定になる
    • 立場の弱さから声を上げにくい

    といった問題が根強く残っていました。

    そこで新法では、「弱い立場を守る」という発想から一歩進み、
    公正で透明性のある取引関係を社会全体で作ることが明確に打ち出されています。

    なお、2024年11月施行のフリーランス保護法が「個人」を主に対象としているのに対し、
    取適法は資本金・従業員数に応じた中小事業者全般を対象とする点が大きな特徴です。


    2.取引実務を変える「3つの重要ポイント」

    ① 価格交渉と支払いルールの厳格化

    新法で特に注目されているのが、「価格交渉のプロセス」と「支払方法」です。

    ● 一方的な価格決定の禁止

    受託側から、原材料費・人件費・物流費などの上昇を理由に価格協議を申し出た場合、
    委託側は誠実に協議する義務を負います。

    単に「今回は無理です」と結論だけを伝えるのではなく、
    なぜその判断に至ったのか、説明と交渉の記録が重要になります。

    ● 現金払いの原則化

    納品から60日以内に、全額を現金化できる方法で支払うことが義務化されます。

    • 手形払い
    • 割引料が差し引かれる電子記録債権
    • 実質的に満額受け取れないファクタリング

    これらは、実務上「現金に近い」と思われがちですが、
    新法では原則として認められません

    ● 遅延利息の拡充

    代金の支払い遅延だけでなく、
    不当な減額を行った場合にも遅延利息が発生する点は要注意です。


    ② 適用対象の拡大|「うちは関係ない」が通用しない

    取適法では、適用範囲が大きく広がります。

    ● 従業員数基準の新設

    これまでの下請法は、主に「資本金」で判断されていました。
    新法ではこれに加えて、従業員数も判断基準となります。

    「資本金が小さいから対象外」と思っていた企業でも、
    実は規制対象になる可能性があります。

    ● 運送委託も新たに対象

    荷主が運送事業者に直接依頼する「特定運送委託」も規制対象となります。

    長時間待機や無償作業といった、物流業界の課題是正が狙いです。


    ③ 執行体制の強化|チェックはより厳しく

    取適法では、

    • 公正取引委員会
    • 中小企業庁
    • 各業界の主務大臣

    が連携し、指導・助言・報告受付を行います。

    「知らなかった」「今まで通りやっていた」では済まされない体制へと変わります。


    3.2026年までにやるべき実務対応とは

    発注者(委託事業者)側の対応

    1. 取引先の再点検(従業員数・運送委託の有無)
    2. 契約書の見直し(法律名変更、手形条項削除、価格協議条項の明記)
    3. 社内体制整備(口頭発注の廃止、交渉記録の保存)

    受注者(中小事業者)側の対応

    原価資料や市場データをもとに、根拠ある価格交渉を行うことが重要です。

    トラブル時には、「取引かけこみ寺(旧:下請かけこみ寺)」などの相談窓口も積極的に活用しましょう。


    まとめ|取引の「OSアップデート」が始まる

    2026年1月1日、新しい取引の時代が始まります。
    契約書や社内ルールの整備は、早めに取り組むことで大きな安心につながります。

    取適法対応や契約書見直しに不安がある場合は、
    企業法務に強い行政書士へ早めにご相談ください。

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  • 原価割れ契約が受注者も禁止に?建設業者が守るべき新規制

    原価割れ契約が受注者も禁止に?建設業者が守るべき新規制

    行政書士の吉村です。
    2025年に全面施行される改正建設業法(建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の一部改正)は、建設業界の“これまでの常識”を大きく変える内容を含んでいます。

    その中でも特に重要なのが、「原価割れ契約の禁止が、受注者(建設業者)側にも義務付けられたこと」です。

    これまでの建設業法では、「発注者→受注者」に対する不当な低価格強要を主に規制していました。しかし今回の改正では、建設業者自身が通常必要な原価を下回る総価で契約を結ぶことが、コンプライアンス違反として明確化されました。

    本記事では、この改正の背景と、建設業者が今すぐ着手すべき「適正な原価計算」「見積ルール整備」のポイントを行政書士の立場から分かりやすく解説します。

    1. なぜ受注者側の原価割れ契約が禁止されたのか

    (1) 最大の目的は「労務費へのしわ寄せ防止」

    建設業界では、就業者の減少・高齢化が深刻化しており、担い手確保は国全体の最重要課題となっています。近年、国が推進している「新4K」(給与がよい、休日が取れる、希望がもてる、カッコイイ)というコンセプトも、その流れの一つです。

    しかし、請負代金が不当に低い場合、負担は最終的に労務費の圧迫として現れます。
    適切な賃金を支払えなければ、技術者は離職し、人材不足に拍車がかかります。

    今回の改正は、低廉な契約を建設業者自らが選択してしまうことによる、労働者への悪影響を防ぐ目的で導入されたものです。

    (2) 従来の規制との違い

    従来の建設業法でも、発注者が著しく低い労務費での見積変更を迫る行為は禁止されていました。しかし今回の改正では、

    「通常必要な原価を下回る総価での契約」を建設業者自身にも禁止
    という新たな規制が追加されました。

    つまり、適正な価格で契約を結ぶのは発注者の責務であると同時に、受注者の責務でもあるという構造へ変わったのです。

    2. 見落としがちな「通常必要な原価」とは

    今回禁止されるのは、「通常必要な原価を下回る総価での契約」です。では、その原価には何が含まれるのでしょうか。

    一般に建設工事の価格は、材料費・労務費・経費などで構成されますが、とくに以下の必要経費を確保できない契約は、原価割れと判断されるリスクが高まります。

    費用項目概要
    労務費技能労働者の賃金原資
    法定福利費健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料など事業主負担分
    安全衛生経費安全対策・保護具等の費用
    建退共掛金建設業退職金共済制度の掛金

    とくに法定福利費や安全衛生経費が確保できない総価契約は、法違反と判断される可能性が高くなります。

    ただし、「低廉な資材を保有している」など合理的理由がある場合は除外されます。

    3. 建設業者が今すぐ取り組むべき具体的対策

    改正法は2025年12月12日に完全施行されます。準備期間は限られています。

    (1) 適正な原価計算体制を整備する

    「なんとなくこの金額で受注しよう」は通用しません。
    すべての工事で、以下を明確に把握する必要があります。

    • 法定福利費
    • 安全衛生経費
    • 標準的な労務費

    特に労務費については、中央建設業審議会が示す「標準労務費」が行政指導の参考指標になります。これを下回る単価設定は「不適正」と判断される可能性が高いため、必ず自社の見積と照らし合わせて確認しましょう。

    (2) 社内規定・見積ルールの見直し

    原価割れ契約の禁止は、受注者のコンプライアンスに直結します。

    • 見積書作成の社内ルール化(労務費・法定福利費の算出方法)
    • 工期設定の判断基準の明文化
    • 内訳明示の徹底(元請・下請いずれでも必須)

    とくに内訳明示は、適正な価格交渉の出発点です。

    (3) 違反時は行政指導の対象に

    受注者側が原価割れ契約を結んだ場合も、国土交通大臣等による指導・監督の対象となります。

    短期的に見れば、「とにかく受注して現場を動かす」ことで売上を確保したくなるかもしれません。ですが、コンプライアンス違反は信用を失墜し、許可維持・事業継続に重大な影響を及ぼします。

    まとめ|持続可能な経営こそ最大の防御策

    今回の「原価割れ契約の禁止」は、建設業者が自らの価値を守り、働く人を守り、業界全体の持続性を高めるための重要な規制です。

    適正原価の把握 → 適正価格での契約 → 適正な賃金の支払い

    この流れを企業として確実に実施することが、将来にわたり信頼される建設業者として生き残る唯一の道です。

    改正建設業法への対応や、社内の見積ルール整備・コンプライアンス体制構築についてお悩みの方は、建設業法務に精通した行政書士がサポートいたします。お気軽にご相談ください。

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  • 【2025年施行予定】 建設業法等の改正ポイントを行政書士がわかりやすく解説

    【2025年施行予定】 建設業法等の改正ポイントを行政書士がわかりやすく解説

    2025年中に施行が予定されている建設業法等の改正について、建設業者のみなさまから
    「何が変わるのか」「どんな手続きが必要になるのか」「注意すべき点はどこか」など、お問い合わせを多くいただいております。

    今回の法改正は、建設業界が抱える以下の課題に真正面から取り組む重要なものです。

    • 担い手不足が深刻化している
    • 賃金水準が他業種と比べ低い傾向にある
    • 長時間労働が常態化している
    • 資材価格高騰により現場の労務費が圧迫されている

    この改正は建設業の持続可能な産業化を目指すもので、国が掲げる「新4K」 (給与がよい・休日が取れる・希望がもてる・カッコイイ)の実現に向け、以下の3つの柱を中心に進められています。

    1. 改正の三つの柱と目的

    1. 労働者の処遇改善
    2. 資材高騰に伴う労務費へのしわ寄せ防止
    3. 働き方改革と生産性の向上

    2. 各柱における具体的な改正内容

    (1)労働者の処遇改善

    • 労務費の適正確保を建設業者の努力義務として明文化
      労働者の知識・技能を公正に評価し、適正な賃金を確保する取組を行うことが求められます。国はその取組状況を調査・公表します。
    • 標準労務費(労務費の基準)の作成・勧告
      中央建設業審議会が作成し、契約交渉や行政指導の参考指標として活用されます。
    • 著しく低い見積りの提出や発注者による変更要求は禁止
      違反した発注者は国土交通大臣による勧告・公表の対象となります。
      ※対象となる請負金額の下限:500万円(建築一式工事は1,500万円)
    • 原価割れ契約の禁止
      通常必要な原価を下回る請負契約の締結は禁止されます。

    (2)資材高騰に伴う労務費へのしわ寄せ防止

    • リスク情報(おそれ情報)の通知義務化
      資材価格の急騰など、契約内容に影響が出る可能性のある情報は、契約締結前に受注者が通知しなければなりません。
    • 請負代金等の変更方法を契約書に明記することが義務化
    • 誠実な協議の努力義務化
      契約後に価格変動などが発生した場合、注文者は協議に誠実に応じなければなりません。
    • 契約変更を認めない条項の禁止

    (3)働き方改革と生産性向上

    • 工期ダンピングの禁止
      著しく短い工期での請負契約の締結を禁止し、長時間労働の抑止を図ります。
    • 工期変更協議の円滑化
    • 現場技術者の専任義務の合理化(複数現場兼任の容認)
      ICTを活用し、以下の条件を満たす場合、兼任が可能に。
      ・現場間の移動が1日で可能、かつ概ね2時間以内
      ・下請け階層が3次まで
      ・ICTによる施工体制確認が実施されている
    • ICTによる現場管理の効率化
      CCUS活用等により、施工体制台帳写しの提出不要となる場合があります。

    (4)特定建設業許可等の金額要件 引き上げ(2025年2月施行)

    項目改正前改正後
    特定建設業許可が必要な下請金額4,500万円以上(建築一式7,000万円以上)5,000万円以上(建築一式8,000万円以上)
    監理技術者の専任が必要な工事4,000万円以上(建築一式8,000万円以上)4,500万円以上(建築一式9,000万円以上)
    施工体制台帳の作成義務4,500万円以上5,000万円以上

    3. 法改正の実効性確保に向けた国の取り組み

    • 建設Gメンによる現場調査の強化
    • 標準労務費運用方針の公表予定(2024年12月上旬)
    • 公共工事設計労務単価の引き上げ(令和7年3月 適用分)
      全職種平均 前年比+6.0%、13年連続上昇

    今回の法改正を例えるなら、建設業界という大きな乗り物のエンジン(賃金・労働環境)を強化し、ハンドル(契約・工期)を安定化し、ナビ(ICT化)を最新化するものです。


    これにより業界全体が「新4K」の目的地へ向かって進んでいくことが期待されています。


    建設業許可の更新・変更手続きはお任せください

    今回の法改正により、許可区分や技術者配置の確認、契約書様式の見直しなど、建設業者様に求められる対応は多岐にわたります。


    法改正に関するご相談や、建設業許可の新規取得・更新・変更・経審・入札参加登録などの手続きは、ぜひ当事務所へご相談ください。

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  • 建設業許可「500万円の基準」と材料費の取扱い|分割契約の抜け道は成立するのか?

    建設業許可「500万円の基準」と材料費の取扱い|分割契約の抜け道は成立するのか?

    建設業許可の取得を検討されている事業者様にとって、よく話題になるのが「500万円の基準」と「材料費を含めるかどうか」という問題です。

    「材料費を別扱いにすれば500万円未満になるのでは?」
    「契約を分割すれば許可なしで対応できるのでは?」

    このようなご相談は非常に多いですが、結論から申し上げると、材料費を除外して500万円未満とすることは認められず、意図的な契約分割も法的に無効となる可能性が高いとされています。

    本記事では、建設業許可不要となる「軽微な建設工事」の基準、材料費を含めた算定方法、そして「抜け道」と誤解されがちなケースについて、行政書士の視点からわかりやすく解説します。

    建設業許可不要となる「軽微な建設工事」の基準

    建設業法では、次の基準を満たす工事は「軽微な建設工事」として建設業許可を必要としません。

    工事の種類軽微な工事の金額基準(許可不要)
    建築一式工事以外の専門工事1件の請負代金の額が500万円未満(税込)
    建築一式工事1,500万円未満(税込)
    または延べ面積150㎡未満の木造住宅工事

    材料費は必ず請負代金に含めて計算する

    「請負代金」とは、材料費・消費税を含めた金額(税込)のことを指します。

    つまり、次のようなケースは許可が必要になります。

    • 工事代金:420万円(税込)
    • 注文者支給材料:100万円
    • 合計:520万円 → 許可が必要

    材料を注文者が無償提供したとしても、その市場価格を加算して計算します。材料費を分けて契約したり、別途清算扱いにすることで500万円未満に見せる方法は認められません。

    消費税も合計に含める必要がある

    「税抜きなら500万円未満だから大丈夫」と誤解される方がいますが、以下のようなケースでも違反となります。

    • 税抜金額:490万円
    • 税込金額:539万円 → 許可が必要

    「500万円問題」を回避する分割契約や別契約は抜け道になるのか?

    500万円以上になるのを避けるために、契約を複数に分けたり、工程ごとに契約書を作成する方法を検討される方がいます。

    しかし、建設業法では意図的な分割契約は認められていません。

    分割契約は合算判断される

    同一の工事を2つ以上に分割し、形式的に500万円未満としても、実質的に一体の工事と判断されれば合算され、500万円以上となれば許可が必要になります。

    判断ポイントは以下の通りです。

    • 工事の目的や内容が一体か
    • 同一場所で行われる工事か
    • 施工時期が連続しているか

    例:内装工事400万円、電気工事180万円 → 一体と判断 → 合計580万円 → 許可が必要

    建築一式工事として扱われる場合

    複数の専門工事を総合的に企画・調整しながら行う場合、建築一式工事と認められる可能性があります。この場合の軽微な工事の基準は、

    1,500万円未満または延べ面積150㎡未満の木造住宅工事

    ただし、建築一式工事に該当するかどうかは、事業者の判断ではなく行政が判断するため、自主的な判断は非常に危険です。

    無許可で500万円を超える工事を請け負うリスク

    許可を持たずに500万円以上の工事を請け負った場合、建設業法違反となり以下の罰則が科されます。

    • 3年以下の懲役または300万円以下の罰金
    • 違反後5年間は建設業許可を取得できない
    • 元請会社も違反に問われる可能性あり

    違反の結果、信用の失墜、取引停止、公共工事案件の排除など、事業への影響は極めて大きくなります。

    まとめ|500万円基準は厳格、抜け道は存在しないと考えるべき

    • 材料費・消費税を含めた金額(税込)で判断する
    • 注文者支給材料も市場価格換算で合算する
    • 分割契約による500万円回避は法的に無効となる可能性が高い
    • 判断に迷う場合は専門家に相談することが重要

    工事が500万円を超える可能性がある場合は、早めに建設業許可取得の準備を始めることが賢明です。


    許可は信用力の向上、取引機会の拡大、元請案件への参入にもつながります。

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    当事務所では、建設業許可申請、業種追加、更新手続き、経営事項審査(経審)など、建設業の実務を幅広くサポートしております。

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    • 500万円基準の判断に迷っている
    • 申請書類の作成を専門家に任せたい

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  • 埼玉県で産業廃棄物収集運搬業許可を取得するための完全ガイド

    埼玉県で産業廃棄物収集運搬業許可を取得するための完全ガイド

    産業廃棄物の収集・運搬を業として行うためには、「産業廃棄物収集運搬業許可」が必要です。 本記事では、埼玉県で新規・更新の許可申請を行う際に押さえるべきポイントを、行政書士がわかりやすく解説します。 これから申請を検討している方、または更新時期を迎える事業者の方は、ぜひ参考にしてください。

    1. 許可を取得するための主な要件

    産業廃棄物収集運搬業の許可を受けるためには、以下の要件を満たすことが求められます。

    (1)経理的基礎の確保(経済力)

    産業廃棄物を適切に取り扱い、事業を安定して継続できるだけの経済的基盤が必要です。 判断基準としては以下の点が重視されます。

    • 利益が計上できているか
    • 債務超過になっていないか
    • 法人税や所得税を適切に納付しているか

    もし基準を満たさない場合でも、財務状況を示す追加資料の提出で審査されることもあります。 資金繰りに不安がある場合は、早めに専門家に相談しておくと安心です。

    (2)事業計画の整備

    申請時には、次の内容を含む事業計画書の提出が必要です。

    • 産業廃棄物の品目、運搬量、形状
    • 排出場所・処分場・運搬経路
    • 使用車両・容器・飛散防止措置などの運搬方法
    • 施設や人員などの業務遂行体制

    (3)知識・技能の取得

    新規で許可を申請する場合、(公財)日本産業廃棄物処理振興センターが実施する講習会(収集・運搬課程 新規)を受講し、修了証を取得する必要があります。 法人の場合は、役員(監査役を除く)や政令で定める使用人、個人の場合は申請者本人または常勤の使用人が対象です。

    2. 埼玉県での申請手続き(積替え保管を除く)

    (1)申請は予約制

    埼玉県では、窓口提出・郵送提出のいずれも予約制です。 「埼玉県産業廃棄物収集運搬業許可申請予約システム」から予約を行い、書類を提出します。

    (2)申請期間と予約

    予約カレンダーは4か月先まで公開され、4か月前から予約可能です。 更新申請の場合は、許可期限の3か月前から申請できます。

    (3)提出方法と手数料

    書類は正本(提出用)と副本(控え)の2部を作成し、左側2か所をひもとじで提出します。 郵送申請も可能で、以下の流れになります。

    1. 予約
    2. 電子申請・届出サービスで申請書第1面を作成
    3. 書類の郵送
    4. クレジットカードまたはペイジーによる手数料納付

    手数料は電子申請・届出サービスで納付します。 たとえば、更新許可は73,000円変更許可は71,000円です。 両方を同時に行う場合、それぞれの手数料が必要になります。

    (4)標準処理期間

    申請の収受から許可・不許可の決定までの標準処理期間は43営業日です(優良認定を含む場合は48営業日)。 補正対応にかかる期間は処理期間に含まれませんので、書類の正確な準備が重要です。

    3. 運搬施設・環境保全措置に関する要件

    (1)運搬車両と容器

    車両番号が確認できる写真、車体表示(「産業廃棄物収集運搬車」「会社名」「固有番号」)が明確な写真の添付が必要です。

    (2)特定廃棄物の運搬措置

    • 感染性廃棄物:保冷機能付き容器を使用し、証明書類を添付
    • 石綿含有廃棄物:フレコンバッグに封入し、他の廃棄物と混合しないよう運搬
    • 水銀使用製品廃棄物:専用容器や緩衝材を使用し、破砕しないように区分運搬

    (3)積替え保管施設での環境保全措置

    積替え保管施設では、次のような環境対策を講じる必要があります。

    • アイドリングストップによる大気汚染防止
    • 屋内設置・排水路清掃による水質汚濁防止
    • 建屋内作業による騒音・振動対策
    • 専用容器・区画表示による飛散・混合防止

    4. 提出書類に関する注意点

    • 登記事項証明書や地図などの添付書類は、申請日から3か月以内に発行されたものを使用。
    • 個人商店の場合でも、屋号ではなく個人名義で申請。
    • 更新・変更・優良認定の場合、一部書類の省略が可能(省略理由一覧の添付が必要)。
    • 法人は直近3期分の決算書・納税証明書・残高証明などを提出。
    • 債務超過の場合は、中小企業診断士等の「財務診断書」や「今後5年間の経営計画書」の提出が求められることも。

    5. 行政書士に依頼するメリット

    産業廃棄物収集運搬業許可の申請は、提出書類が多く、要件も細かいため、初めての方にとっては非常に複雑です。 行政書士に依頼することで、次のようなメリットがあります。

    • 複雑な書類作成・審査対応をスムーズに代行
    • 複数自治体への同時申請にも対応
    • 積替え保管を伴う許可など、特殊ケースにも柔軟に対応
    • 法人としての信頼あるサポート体制

    申請スケジュールに余裕をもって準備することが、許可取得の第一歩です。 当事務所では、許可申請から更新・変更までトータルでサポートいたします。 お気軽にご相談ください。


    【対応地域】埼玉県・東京都・群馬県・栃木県・千葉県ほか

    【対応業務】産業廃棄物収集運搬業許可/積替え保管許可/優良認定申請/変更届など

    産業廃棄物許可申請のご相談は、行政書士へ。
    専門的な知識と経験で、確実な許可取得をサポートいたします。

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  • 経審評価UP!資本性借入金の活用方法

    経審評価UP!資本性借入金の活用方法

    いつもお世話になっております。

    行政書士吉村事務所の吉村です。


    建設会社の皆様にとって、公共工事の受注に欠かせないのが「経営事項審査(経審)」ですよね。その経審の評価を左右する重要な要素の一つが「自己資本」です。

    この度、国土交通省より、負債として計上されている借入金の一部を「自己資本」とみなすことができる新たな制度、「資本性借入金」に関する事務取扱いが発表されました。

    今回はこの制度の内容と、経審への具体的な影響を分かりやすく解説いたします。

    資本性借入金とは?

    資本性借入金とは、一定の条件を満たした借入金を「自己資本」として扱うことができる制度です。

    2025年7月1日以降の経審申請から適用され、対象は審査基準日が2025年3月31日以降の決算、かつ単独決算で申請する企業に限られます。

    経審での評価向上ポイント

    自己資本が増加してP点アップ

    建設会社が公共工事を受注するためには、経審での評価点(P点)が重要です。自己資本は経営安定性を示す重要指標で、以下の項目に影響します。

    • 負債回転期間:負債減少により改善
    • 自己資本対固定資産比率:自己資本増により改善
    • 自己資本比率:自己資本増により改善
    • X₂₁自己資本:評価点向上

    これにより、経営状況分析のY点が向上し、結果として総合評定値(P点)アップが期待できます。

    資本性借入金と認められる要件

    以下のすべての要件を満たす借入金が対象となります:

    • 金融機関(政府系含む)からの借入であること
      例:日本政策金融公庫の「挑戦支援資本強化特例制度」など
    • 償還期間が5年超
    • 期限一括償還(または同等の据置期間)
    • 配当可能利益に応じた金利(業績連動型)
    • 法的破綻時の劣後性の確保

    注意点: 残存期間が5年未満になると、自己資本として認められる金額は毎年20%ずつ逓減します。

    経審申請における具体的手続き

    ① 証明書の取得

    公認会計士・税理士・建設業経理士1級などの資格者から「資本性借入金」の証明書を取得(国土交通省様式)。

    ② 経営状況分析時の提出

    • 経営状況分析申請書に「資本性借入金 ○○○円」と記載
    • 証明書の写し・契約書の写しを添付
    • 証明者が建設業経理士の場合は合格証・修了証も添付

    ③ 経営規模等評価時の提出

    • 「自己資本額」の欄に資本性借入金を加算した額を記載
    • 再度、証明書の写しを添付

    まとめ:活用すれば経審に有利!

    この「資本性借入金」制度は、経審における自己資本評価の大幅な改善につながる可能性があります。


    まずは、貴社の借入契約がこの要件に該当するかを確認してみてください。

    ご不明な点やご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせください。貴社の経審評価向上を全力でサポートいたします。

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  • 【埼玉県の建設業者必見】入札に参加するなら「格付け」が必要です!

    【埼玉県の建設業者必見】入札に参加するなら「格付け」が必要です!

    こんにちは、行政書士の吉村です。
    今回は、建設業者さんからよくご相談いただく「埼玉県の建設工事入札における格付制度」について、実務的な手順とポイントをわかりやすくご説明します。

    「うちは公共工事にチャレンジしたいけど、まず何をすればいいの?」
    「格付けって聞いたことあるけど、どうやって決まるの?」

    そんな疑問をお持ちの方、ぜひ最後までお読みください。この記事を読めば、格付制度のしくみから申請の流れ、注意点まで一通り理解できますよ。

    ■ そもそも「格付け」ってなに?

    埼玉県では、建設工事の競争入札に参加するために、業者ごとに「格付け(ランク付け)」を行っています。
    この格付けは、経営状況や技術力などを点数化して、どの規模・種類の工事に参加できるかを決める大切な制度です。

    言い換えると、「この会社なら、これくらいの公共工事を任せられる」という客観的な判断基準。
    入札のスタートラインに立つための、まさに「チケット」とも言えるでしょう。

    ■ 格付けの申請はこう進めます(4ステップ)

    ステップ1:まず制度の目的を理解しましょう

    格付けは、埼玉県が定める入札制度の一環。
    その根拠は「埼玉県建設工事請負等競争入札参加者の資格等に関する規程」第8条にあります。

    県が定めた評価基準に基づいて業者をランク分けすることで、適切な事業者が適正な工事を受注できる仕組みを作っているのです。

    ステップ2:評価される3つの要素を押さえる

    格付けの評価は、以下の3つの要素で構成されます。

    • 資格審査数値(=経審点数)
    • 技術者数
    • 県独自の格付基準

    とくに、資格審査数値と技術者数は、日ごろの会社の体制や努力がそのまま反映されるため、しっかり準備しておく必要があります。

    ステップ3:資格審査数値の内訳を知ろう

    この点数は、国土交通省が定める「経営事項審査(経審)」をベースにしています。

    評価される主なポイントは以下のとおり:

    • 完成工事高などの 経営規模
    • 自己資本比率などの 経営状況
    • 技術職員の数などの 技術力
    • 法令遵守や社会保険加入状況といった 社会性

    これらは数値化され、最終的に総合的なスコアとして反映されます。

    ステップ4:工事成績評価点も見逃せない

    埼玉県内に「本店」がある業者さんは、県からの評価(=工事成績評価点)も加味されます。
    この点数は、過去2年度に県発注工事を履行した際の評価結果に基づきます。

    例えば、平均90点以上なら130点が加算されるなど、工事の質が高いほど有利に働きます。

    ■ よくある質問にお答えします!

    Q:うちは埼玉県に営業所があるけど、評価対象になりますか?

    A: 本店(主たる営業所)が埼玉県内にあれば、「県内業者」として評価対象になります。

    Q:経営事項審査ってどこで受けるの?

    A: 都道府県や国の地方整備局に申請して受審します。行政書士が手続き代行できます。

    Q:過去に県の工事をやっていないと点数つきませんか?

    A: 工事成績評価点は付きませんが、経審の点数で格付けはされます。

    Q:官公需適格組合に入っていると有利? A: はい、構成員の合算で評価されるため、小規模事業者でも有利になることがあります。

    Q:経常JVって何?

    A: 複数業者が連携して工事を受ける共同体で、実績が少ない業者でも大規模案件に参加しやすくなります。

    ■ 行政書士からの実務アドバイス

    • 経審には有効期限(1年)があります。更新漏れに注意!
    • 技術者の数は常に最新の台帳に反映を。
    • 工事成績評価を上げるためにも、日頃の施工・報告・安全管理に磨きをかけましょう。

    ■ まとめ:格付けは入札のスタートライン!

    「格付けって難しそう…」と思われたかもしれませんが、しっかり準備すれば確実に前に進めます。
    とはいえ、経審の申請や評価点の管理には専門的な知識と書類作成のノウハウが必要です。

    「まずは一歩踏み出したい」「しっかり整えてチャレンジしたい」
    そんな建設業者さまのお力になります。お気軽にご相談ください。


    公共工事への第一歩、いっしょに踏み出しましょう。

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