【建設業者必見】技能者名簿(様式第5号)の書き方とポイント

こんにちは。行政書士の吉村です。

今回は、経営事項審査(いわゆる「経審」)で提出が必要となることのある「技能者名簿(様式第5号)」について、その作成方法や注意点を、初めての方にもわかりやすく解説します。

技能者名簿は、「施工に従事した技能者」の情報を整理してまとめる重要な帳票です。

「うちは必要なの?」
「評価って何?」
「どこまで書けばいいの?」
…といったご相談もよくいただきます。

この記事を読めば、技能者名簿の基礎から提出の有無、よくある疑問まで、一通り理解できます。事務担当者や経審申請が初めての方にもおすすめです。

技能者名簿(様式第5号)とは?

建設業の経営事項審査では、企業の技術力や施工能力を評価するため、実際に現場で働いていた技能者の情報を提出することがあります。

このときに使うのが「様式第5号(技能者名簿)」です。

法律の根拠は「建設業法施行規則第14条の2」。そこでは、過去3年間に施工に従事した者の情報提出が義務付けられています。

つまり、「工具を持って現場で施工した職人さん」のリストということですね。

記載対象者の条件

名簿に記載できるのは、以下の3つの条件をすべて満たす方です。

  • 審査基準日時点で、許可業種の工事に従事している
  • 過去3年間に施工に従事していた
  • CCUS(建設キャリアアップシステム)などの能力評価を受けている

たとえば、「現場監督」や「施工管理」のみを行っていた方は対象外です。実際に作業した技能者だけが該当します。

記載方法:6ステップで解説

ステップ1:名簿の様式を準備

使用するのは、A4サイズの様式第5号です(各自治体のホームページや経審の手引きに掲載されています)。

ステップ2:基本情報を記入

項目内容
通番1、2、3…と順番に記載
氏名フルネームで(例:埼玉 四郎)
生年月日和暦で(例:S53年7月10日)
評価日最新の能力評価日(例:R4年4月17日)

ステップ3:レベル向上の有無

過去3年間で、能力評価のレベルが1段階以上上がった場合のみ、「○」を記入します。

例:R3年:レベル2 → R5年:レベル3 → 「○」記入

ステップ4:控除対象の判断

審査基準日の3年以上前に「レベル4(最上位)」評価を受けている方が対象。「○」を記入します。

これは、「これ以上レベルアップが見込めないので、加点対象から外す」という扱いです。

ステップ5:最終行に合計人数を記載

項目内容
技能者数名簿に記載した合計人数(例:3人)
レベル向上者数「○」がついた人数(例:2人)
控除対象者数「○」がついた人数(例:1人)

ステップ6:提出省略が可能な場合

次の両方に当てはまる場合は、この名簿の提出が不要になります。

  • CPD単位取得者が0人(帳票項番49)
  • 技能レベル向上者が0人(帳票項番62)

この場合、「技能者数=0人」として審査されます。

よくあるご質問(建設業者さんからの相談例)

Q1:「現場監督も書けますか?」

→ いいえ。工具を持って作業していない「施工管理」だけの方は対象外です。

Q2:「能力評価ってCCUSのこと?」

はい、CCUS(建設キャリアアップシステム)もその一つです。他にも職種団体による評価制度(例:鉄筋、型枠など)も該当します。

Q3:「レベル向上の○って必要ですか?」

→ はい。技能者のレベルが上がると、経審の加点対象になるため、会社の評価にプラスとなります。

Q4:「控除対象ってなんで○つけるの?」

→ 控除対象者は、すでに最上位レベル(レベル4)を取得済みのため、加点対象にはならないという意味で「○」を付けます。

Q5:「名簿、出さなくていいって言われたけど…?」

→ その通り。上記の条件(CPD0&レベル向上者0)を満たしていれば、提出省略が可能です。

まとめ:行政書士からのアドバイス

技能者名簿は「提出不要」な場合もありますが、内容を誤解して提出ミスにつながることも。

レベルの評価制度や対象者の定義など、専門知識が必要な場面が多いため注意が必要です。「施工に従事したか?」の確認を怠らないようにしましょう。

「技能者名簿、必要なのは分かったけど、自社で正しく書けるか不安…」

そんなときは、ぜひ専門家にご相談ください。

当事務所では、技能者名簿の作成に必要な情報を丁寧にヒアリングし、正確・迅速に作成代行しています。また、必要に応じて「技能者名簿記載チェックリスト」もご提供しております。

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