【解説】専任技術者の実務要件が緩和?経験年数が足りない方もチャンス!

こんにちは。行政書士の吉村です。
今回は、建設業許可における「専任技術者」の実務経験について、経験年数が足りない方にもチャンスが広がる“緩和措置”について、わかりやすく解説します。

「実務経験が10年に届かない…」
「複数業種を経験してきたが、どう評価されるの?」
そんな方にこそ、ぜひ知っておいていただきたい内容です。

専任技術者とは?

建設業の許可を取る際には、営業所ごとに「専任技術者」を配置する必要があります。
この専任技術者になるためには、以下のいずれかの条件を満たす必要があります:

  • 一定の学歴(+所定の実務経験)
  • 資格(1級・2級施工管理技士など)
  • 実務経験10年以上(原則)

ここで問題になるのが、実務経験10年のハードルです。
しかも、2業種で許可を取りたい場合は20年分の経験が必要となるのが原則です。

しかし!
建設業では「工事業種間の関連性」を考慮し、一部の工事業種について、実務経験年数が短くても専任技術者として認められる緩和措置が設けられているのです。

実務経験の緩和措置とは?

複数の工事業種にまたがって経験を積んでいる場合、その組み合わせ次第で、10年に満たない経験でも専任技術者になれることがあります。
以下に代表的な緩和パターンをご紹介します。

1. 一式工事と専門工事の振替

「土木一式工事」または「建築一式工事」の経験年数と、他の専門工事業種(とび・土工、内装仕上など)との合算で条件を満たす場合があります。

2. 土木工事業との組み合わせ

以下の4業種のいずれかで8年以上の経験があり、さらに土木工事業とあわせて12年以上の経験がある場合、その業種で専任技術者として認められます。

  • ① とび・土工工事業
  • ② しゅんせつ工事業
  • ③ 水道施設工事業
  • ④ 解体工事業

例:
とび・土工工事業で8年6か月、土木工事業で4年の経験があれば→合計12年6か月。
とび・土工工事業で専任技術者として認められます。

3. 建築工事業との組み合わせ

以下の7業種のうち、どれかで8年以上の経験があり、建築工事業とあわせて12年以上あればOKです。

  • ① 大工工事業
  • ② 屋根工事業
  • ③ 内装仕上工事業
  • ④ ガラス工事業
  • ⑤ 防水工事業
  • ⑥ 熱絶縁工事業
  • ⑦ 解体工事業

例:
大工工事業で9年2か月、建築工事業で5年の経験→合計14年2か月。
大工工事業で専任技術者として認められます。

4. 大工工事業と内装仕上工事業の相互振替

この2つの工事業種は特別で、相互に振り替え可能です。

どちらかで8年以上+もう一方とあわせて12年以上の経験
→その8年を超える業種で専任技術者として認められます。

例:
内装仕上工事業で8年、大工工事業で4年→合計12年→内装仕上工事業で認定。
両方とも8年超えの場合は、両方の業種で専任技術者になれるチャンスがあります。

まとめ:実務経験が足りない方も、あきらめないで!

このように、建設業では業種の組み合わせや内容によって、実務経験が緩和される制度が用意されています。
経験年数だけで諦めるのはもったいないかもしれません。

ただし、細かい条件の確認や、経験の証明方法には専門的な判断が必要です。
「うちのケースではどうなるの?」という方は、ぜひ一度ご相談ください。

ご相談はお気軽にどうぞ

当事務所では、建設業許可の取得・更新はもちろん、専任技術者の実務経験の確認・整理・証明書類の作成まで、トータルでサポートしています。

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そんなお悩みをお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
あなたの経験が、きちんと評価されるよう、全力でお手伝いいたします。

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