はじめに
〜大切なご家族の安心を守る仕組み〜
高齢化が進む現代社会において、認知症や知的障がい、精神障がいなどによって判断能力が低下する方が増えています。こうした方々が安心して暮らしていけるよう、財産の管理や生活に必要な契約手続きなどをサポートする仕組みが「法定後見制度」です。
この制度は、ご本人の判断能力の程度に応じて家庭裁判所が後見人等を選任し、ご本人の権利と財産を守るための支援を行うものです。ご家族だけで抱えるには限界があるような問題にも、制度を活用することで専門的な支援を受けることができます。
本記事では、法定後見制度の概要や種類、支援の仕組みについて詳しく解説します。
法定後見制度とは?
高齢化が進む現代社会において、認知症や知的障がい、精神障がいなどにより、判断能力が低下する方が増えています。
法定後見制度は、そのような方々の権利と財産を守るために設けられた、公的な支援制度です。
対象となる方
以下のような方々が法定後見制度の対象となります。
■ 判断能力に不安を感じている方
高齢や病気の影響で、物事の判断に不安が出てきた方。将来に備えて、信頼できる第三者にサポートを任せたいというご希望に応えます。
■ 財産の管理が難しくなってきた方
預貯金や不動産の管理、各種契約手続などがご自身では難しくなってきた方を、法的にしっかり支援します。
■ 詐欺や悪徳商法から財産を守りたい方
巧妙化する詐欺や悪徳商法から、財産を守るための仕組みとしても法定後見制度は有効です。
■ 認知症のご親族を支えたい方
認知症などにより、ご自身で適切な判断が難しくなったご親族に代わり、適切な財産管理や契約手続きを行えるようになります。
■ 離れて暮らすご家族が心配な方
遠方にお住まいの高齢のご家族の生活や財産管理を、法的な枠組みのもとで支援したいとお考えの方にとって、信頼できる制度です。
法定後見制度の種類
法定後見制度には、本人の判断能力の程度に応じて、次の3種類の支援が用意されています。
後見
最も判断能力が低下している場合に適用される制度で、成年後見人が本人の代理人として全面的な支援を行います。
保佐
判断能力が著しく不十分な方を対象とし、保佐人が重要な契約などについて同意を与える役割を担います。
補助
判断能力が不十分ではあるものの、比較的軽度の場合に適用され、補助人が必要な範囲で支援を行います。
法定後見制度の利用方法
この制度を利用するには、家庭裁判所に申し立てを行う必要があります。申し立ては、本人だけでなくご家族などの関係者からも可能です。
家庭裁判所は、医師の診断書や本人の生活状況などをもとに、必要な支援の内容を判断し、「成年後見」「保佐」「補助」のいずれかの類型を選びます。そして、本人を支える成年後見人などが選任されます。
場合によっては、成年後見人の活動を見守る「後見監督人」があわせて選ばれることもあります。これにより、より適切で安心な支援体制が整えられます。
法定後見制度の支援内容
成年後見人等(成年後見人・保佐人・補助人)は、以下のような支援を行います。
• 代理権:本人に代わって財産管理や契約の締結を行う
• 同意権:本人が契約を結ぶ際に同意を与える
• 取消権:本人が不利益な契約を結んでしまった場合に取り消す
まとめ
「後見」とは、認知症などにより判断能力が不十分になった方に代わって、財産の管理や契約の手続きなどを行い、本人の生活や権利を守る制度です。
法定後見制度は、ご本人の判断能力の程度に応じて、「後見」「保佐」「補助」の3つの形で支援が行われます。家庭裁判所の判断により適切な支援が提供され、安心して日常生活を送るための大きな助けとなります。
高齢のご家族の将来が心配な方、ご自身の老後に備えておきたいとお考えの方は、この制度の活用を前向きに検討されてみてはいかがでしょうか。
当事務所では、法定後見制度に関するご相談から、家庭裁判所への申立て手続き、必要に応じた書類作成・アドバイスまで、丁寧にサポートしております。
はじめての方にもわかりやすくご説明いたしますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。
あなたとご家族の「これから」を支えるお手伝いをいたします。
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