【2025年施行予定】 建設業法等の改正ポイントを行政書士がわかりやすく解説

2025年中に施行が予定されている建設業法等の改正について、建設業者のみなさまから
「何が変わるのか」「どんな手続きが必要になるのか」「注意すべき点はどこか」など、お問い合わせを多くいただいております。

今回の法改正は、建設業界が抱える以下の課題に真正面から取り組む重要なものです。

  • 担い手不足が深刻化している
  • 賃金水準が他業種と比べ低い傾向にある
  • 長時間労働が常態化している
  • 資材価格高騰により現場の労務費が圧迫されている

この改正は建設業の持続可能な産業化を目指すもので、国が掲げる「新4K」 (給与がよい・休日が取れる・希望がもてる・カッコイイ)の実現に向け、以下の3つの柱を中心に進められています。

1. 改正の三つの柱と目的

  1. 労働者の処遇改善
  2. 資材高騰に伴う労務費へのしわ寄せ防止
  3. 働き方改革と生産性の向上

2. 各柱における具体的な改正内容

(1)労働者の処遇改善

  • 労務費の適正確保を建設業者の努力義務として明文化
    労働者の知識・技能を公正に評価し、適正な賃金を確保する取組を行うことが求められます。国はその取組状況を調査・公表します。
  • 標準労務費(労務費の基準)の作成・勧告
    中央建設業審議会が作成し、契約交渉や行政指導の参考指標として活用されます。
  • 著しく低い見積りの提出や発注者による変更要求は禁止
    違反した発注者は国土交通大臣による勧告・公表の対象となります。
    ※対象となる請負金額の下限:500万円(建築一式工事は1,500万円)
  • 原価割れ契約の禁止
    通常必要な原価を下回る請負契約の締結は禁止されます。

(2)資材高騰に伴う労務費へのしわ寄せ防止

  • リスク情報(おそれ情報)の通知義務化
    資材価格の急騰など、契約内容に影響が出る可能性のある情報は、契約締結前に受注者が通知しなければなりません。
  • 請負代金等の変更方法を契約書に明記することが義務化
  • 誠実な協議の努力義務化
    契約後に価格変動などが発生した場合、注文者は協議に誠実に応じなければなりません。
  • 契約変更を認めない条項の禁止

(3)働き方改革と生産性向上

  • 工期ダンピングの禁止
    著しく短い工期での請負契約の締結を禁止し、長時間労働の抑止を図ります。
  • 工期変更協議の円滑化
  • 現場技術者の専任義務の合理化(複数現場兼任の容認)
    ICTを活用し、以下の条件を満たす場合、兼任が可能に。
    ・現場間の移動が1日で可能、かつ概ね2時間以内
    ・下請け階層が3次まで
    ・ICTによる施工体制確認が実施されている
  • ICTによる現場管理の効率化
    CCUS活用等により、施工体制台帳写しの提出不要となる場合があります。

(4)特定建設業許可等の金額要件 引き上げ(2025年2月施行)

項目改正前改正後
特定建設業許可が必要な下請金額4,500万円以上(建築一式7,000万円以上)5,000万円以上(建築一式8,000万円以上)
監理技術者の専任が必要な工事4,000万円以上(建築一式8,000万円以上)4,500万円以上(建築一式9,000万円以上)
施工体制台帳の作成義務4,500万円以上5,000万円以上

3. 法改正の実効性確保に向けた国の取り組み

  • 建設Gメンによる現場調査の強化
  • 標準労務費運用方針の公表予定(2024年12月上旬)
  • 公共工事設計労務単価の引き上げ(令和7年3月 適用分)
    全職種平均 前年比+6.0%、13年連続上昇

今回の法改正を例えるなら、建設業界という大きな乗り物のエンジン(賃金・労働環境)を強化し、ハンドル(契約・工期)を安定化し、ナビ(ICT化)を最新化するものです。


これにより業界全体が「新4K」の目的地へ向かって進んでいくことが期待されています。


建設業許可の更新・変更手続きはお任せください

今回の法改正により、許可区分や技術者配置の確認、契約書様式の見直しなど、建設業者様に求められる対応は多岐にわたります。


法改正に関するご相談や、建設業許可の新規取得・更新・変更・経審・入札参加登録などの手続きは、ぜひ当事務所へご相談ください。

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